『“大学二年生のとき。ボクシングで初めて北海道チャンピオンになったとき。ある意味すなわち、初めて国際大会等で活躍している選手達の試合を間近で見たとき。あっさり敗北しましたが、初めて手を合わせたとき。
カメラの前で本木さんと対峙していると、ついついふと、あのときの心境がオーバーラップしてしまいます。
悔しくも思えず、今に見てろ、とも思えず、ただ、そこはかとなく、静かに、ああ、この人はぼくには絶対に届かないところに居るんだな、、とすんなりと納得してしまうような、どこか心地よい心境でしょうか。
よし、やめるぞー!!でしょうか。
身の丈は知っているつもりでしたが、限界は知らないままに、時々こうして映画に出演させていただいていました。
けれど、今回できっちり限界を知りました。と言うとネガティヴな響きも帯びてしまうかもしれませんが、そうではなく、これ以上は無理!!というくらいの限界までの実力を出させてもらえている、という風に伝わればいいな、と思っています。
西川美和監督作品という最高のリングの上で、“本木雅弘”という世界チャンピオンに限界を知らされつつ、限界を引き出していただきつつでお芝居に取り組めていることを、心から幸せに、光栄に思っています。
最終ラウンド、冬編も、また胸をかして下さい。そして、その胸でドンと突き飛ばして下さい。
微塵の後悔も残さず、よし!やめるぞー!!で、ぼくは歌うたいとしての世界チャンピオンを目指していこうとおもいます。”
と、随分長い引用となってしまいましたが、これは夏編の撮影が終わった直後、ぼくから本木さんに宛てたメールの一部でした。
冬編に限らず、全編を通して、こんな気持ちで取り組むことができたかな、と思っています。
というわけで、ぼくはもう、お芝居の活動はしません。とまで断じるつもりはありませんが、脆弱ながらも、自分の役者部門における全力はこの映画に刻み込んでいただけたのだから、これが最後の映画出演になろうとも、まったくもって、なんの後悔もない、とは心から思っています。
至らぬ点が山ほどあったかと思いますが、西川監督をはじめ、全てのスタッフの皆様、本木さん、けんしんくん、たまちゃんをはじめ、全ての共演させていただいた皆様、本当にお世話になりました。感謝の気持ちで一杯です。
唯一、気に入らないのは、最近着実に本木さんとの距離を詰めつつある、池松さんだけです。笑
長くなりましたが、この度は、かけがえのない機会を、時間を、本当にありがとうございました。
撮影中、誰よりも多く本木さんに乳首をいじられた男、竹原ピストルでした。
ありがとうございました!!』
※以上、全体打ち上げでスピーチのタイミングがあったりしたら、(グダグダになるのを防ぐ為)読もうと思っていたのだけれど、歌をうたうことになり未発表となったスピーチ原稿でした。笑
念の為ですけれど、池松さんのくだりはもちろん冗談ですし、乳首のくだりも完全に冗談でのセクハラふざけの話ですからね!!
監督!本木さんに乳首を触られました!!とチクると、西川監督もはじめのうちは、本木さん、やめてあげてください!と止めてくれていたのですが、途中から、竹原さん、我慢してください!に変わりました。笑
ほんとにほんとに楽しく、素敵な現場でした。
あらためて、ひとまず、お世話になりました、完成を楽しみにしています!
http://ro69.jp/news/detail/136919?rtw
『永い言い訳』是非是非観て下さいね!
少し遡って、無事、クランクアップ、でした!